再就職手当をもらえるなら、できれば 満額 もらいたい。何をすれば支給率70%で受給できるの?
再就職手当の支給率は 60% または 70% の2段階です。支給率70%(満額)を達成するには、支給残日数が所定給付日数の3分の2以上 の段階で再就職する必要があります。
この記事では、再就職手当を満額もらうための逆算スケジュール、支給率70%の条件、待期7日との兼ね合い、計算例までをわかりやすく整理します。
1. 結論 ― 「3分の2以上残し」で満額70%
最初に結論をお伝えします。
再就職手当の支給率は、再就職時点の 支給残日数の割合 で決まります。
| 支給残日数の割合 | 支給率 |
|---|---|
| 所定給付日数の 3分の2以上 | 70%(満額) |
| 所定給付日数の 3分の1以上3分の2未満 | 60% |
| 所定給付日数の3分の1未満 | 対象外(0%) |
→ 失業保険を 3分の1以下しか消費しないうち に再就職することが、満額受給のカギです。
2. 所定給付日数別 ― 満額ライン早見表
自己都合退職(一般の離職者)
| 被保険者期間 | 所定給付日数 | 満額ライン(残日数) | 60%ライン |
|---|---|---|---|
| 10年未満 | 90日 | 60日以上 | 30日以上 |
| 10〜20年未満 | 120日 | 80日以上 | 40日以上 |
| 20年以上 | 150日 | 100日以上 | 50日以上 |
会社都合退職(特定受給資格者・一部の特定理由離職者)
| 年齢/被保険者期間 | 所定給付日数 | 満額ライン(残日数) |
|---|---|---|
| 30歳未満・10〜20年 | 180日 | 120日以上 |
| 30〜35歳未満・10〜20年 | 210日 | 140日以上 |
| 35〜45歳未満・10〜20年 | 240日 | 160日以上 |
| 45〜60歳未満・10〜20年 | 270日 | 180日以上 |
| 45〜60歳未満・20年以上 | 330日 | 220日以上 |
3. 満額受給を達成するスケジュール戦略
自己都合退職の場合(給付制限あり)
自己都合退職は 待期7日 + 給付制限1ヶ月 が必要です。給付制限1ヶ月中に再就職した場合、就職日まで支給日数は消費されないため、給付制限明け直後の就職 が満額のカギになります。
退職 → 求職申込 → 待期7日 → 給付制限1ヶ月 → 受給開始
↑ ここで再就職決定
= 支給残日数 100%
→ 70%(満額)支給
ポイント
- 給付制限期間中の就職活動は 報酬対象期間ではない が、再就職手当の支給残日数は影響を受けない
- 給付制限明け直前〜直後で再就職すれば 支給残日数100% に近い状態
- 自己都合退職でハローワーク等の紹介で就職する場合のみ給付制限中の再就職手当対象
会社都合退職の場合(給付制限なし)
会社都合退職は給付制限がないため、待期7日完了後すぐに支給開始されます。満額受給するには 待期完了後すぐに就職決定 することが必要です。
退職 → 求職申込 → 待期7日 → 受給開始
↑ ここで再就職決定
= 支給残日数 100%
→ 70%(満額)支給
→ 早期就職活動・即日内定が満額のカギ。
あなたの最適な再就職タイミングをLINEで個別シミュレーション
4. 計算例 ― 満額と60%の差はいくら?
条件: 35歳・基本手当日額6,500円・所定給付日数120日
| 再就職時の支給残日数 | 給付率 | 支給額 |
|---|---|---|
| 110日(92%残) | 70%(満額) | 6,500 × 110 × 0.7 = 50.05万円 |
| 90日(75%残) | 70%(満額) | 6,500 × 90 × 0.7 = 40.95万円 |
| 80日(67%残・ぎりぎり満額) | 70%(満額) | 6,500 × 80 × 0.7 = 36.4万円 |
| 70日(58%残) | 60% | 6,500 × 70 × 0.6 = 27.3万円 |
| 50日(42%残) | 60% | 6,500 × 50 × 0.6 = 19.5万円 |
→ 支給残日数80日と70日の わずか10日の差で約9万円 の違い。満額ラインを意識した就活スケジュールが受給額に大きく影響します。
条件: 45歳・基本手当日額8,500円・会社都合退職・所定給付日数270日
| 再就職時の支給残日数 | 給付率 | 支給額 |
|---|---|---|
| 250日(93%残) | 70%(満額) | 8,500 × 250 × 0.7 = 148.75万円 |
| 200日(74%残・ぎりぎり満額) | 70%(満額) | 8,500 × 200 × 0.7 = 119万円 |
| 180日(67%残) | 60% | 8,500 × 180 × 0.6 = 91.8万円 |
→ 会社都合退職で給付日数が多い方は、満額と60%の差が 約27万円 にも。
5. 退職前からの就活ロードマップ
在職中(退職2〜3ヶ月前から)
- 転職エージェントに登録(複数社)
- 退職予定日を伝えて入社可能日を調整
- 雇用保険の 被保険者期間を確認
- 自己都合・会社都合の判定見込みを確認
退職直後(1週目)
- ハローワークで求職申込・離職票提出
- 受給資格決定(自己都合は給付制限1ヶ月の通知)
- 説明会出席
- 並行して転職活動を本格化
待期7日中
- 就労はNG(待期7日中の就労は再就職手当対象外)
- 内定獲得・面接は積極的にOK
- 入社日は8日目以降に設定
給付制限中(自己都合の場合)
- ハローワーク紹介の求人に応募(給付制限明けの1ヶ月以内に決定すれば対象)
- 就活実績を月2回以上で記録
- 面接合格 → 入社日調整で給付制限明け以降に設定
給付制限明け(自己都合)/待期8日目以降(会社都合)
- 内定済みなら 即入社 で支給残日数100%に近い状態を確保
- 採用証明書を再就職先に記入依頼
- ハローワークへ再就職届 + 再就職手当申請書を提出
6. 満額受給を逃しやすい3つの落とし穴
落とし穴① 待期7日中に就労開始
待期7日中に就労してしまうと、再就職手当の対象外になります。内定取得はOKですが、 入社日は必ず8日目以降 に設定してください。
落とし穴② 給付制限の最初の1ヶ月にハローワーク紹介以外の経路で就職
自己都合退職で給付制限の最初の1ヶ月に就職する場合、 ハローワーク・職業紹介事業者の紹介経路 が必須です。エージェントは「職業紹介事業者」として認められるため対象。友人紹介・直接応募は対象外になりやすいので注意。
落とし穴③ 申請期限(再就職翌日から1ヶ月以内)超過
申請期限の超過は受給資格喪失リスク。再就職決定後、 採用証明書の入手 に時間がかかることもあるので、 入社初日に再就職先に依頼 するのがベスト。
7. 失業保険を多めに受給する vs 再就職手当満額 どちらが得?
比較ケース: 自己都合退職・所定給付日数120日・基本手当日額6,500円
| 戦略 | 受給合計 |
|---|---|
| A. 給付制限明け即就職(残120日・70%) | 再就職手当のみ: 54.6万円 |
| B. 給付制限明け1ヶ月後就職(残90日・70%) | 失業保険1ヶ月: 19.5万 + 再就職手当: 40.95万 = 60.45万円 |
| C. 給付制限明け2ヶ月後就職(残60日・60%) | 失業保険2ヶ月: 39万 + 再就職手当: 23.4万 = 62.4万円 |
| D. 給付期間満了まで受給(120日全消費) | 失業保険のみ: 78万円 |
→ トータル受給額の最大化 だけ見れば給付期間満了まで受給する方が多い。ただし、それは早期再就職のチャンスと天秤にかける必要があります。
判断軸
- 就活が長引くリスク: 失業期間が長引くほどキャリアブランクが懸念に
- 健康保険料・住民税の負担: 失業期間中の固定費は重い
- 再就職先の質: 焦らず満足のいく転職先を選びたい
→ 単純な金額比較ではなく、 総合的な納得度 で判断することが重要。
8. よくある質問
Q1. ハローワーク紹介ではなく転職エージェント経由でも対象になりますか?
A. はい、 「職業紹介事業者」 として認可された転職エージェントは対象です。給付制限中の最初の1ヶ月の就職でも、認可エージェント経由なら再就職手当の対象になります。
Q2. 内定が早く出すぎて待期7日中の入社になりそうです。
A. 入社日を 8日目以降 にずらしてもらうよう再就職先に交渉してください。待期7日中の就労は再就職手当の対象外になります。
Q3. 自営業・フリーランスでも満額70%は適用されますか?
A. はい、自営業・フリーランス開業も対象です。 受給資格決定後に開業準備を始めた事業 で、支給残日数3分の2以上を残して開業届を提出すれば満額70%適用。
Q4. 「3分の2」の判定はどの時点ですか?
A. 再就職日の前日時点での支給残日数で判定します。土日祝日も日数にカウントされます。
Q5. 給付制限中の支給残日数はどう計算しますか?
A. 給付制限期間中は 支給日数を消費しません。給付制限明け時点の支給残日数 = 所定給付日数100% です。
Q6. 短期離職を繰り返す予定です。再就職手当は毎回もらえますか?
A. 過去3年以内に再就職手当または常用就職支度手当を受給 していると対象外です。再就職手当を一度受け取ると、次回失業時の再就職手当は3年間使えません。
9. まとめ
再就職手当を満額もらうための要点をまとめます。
- 満額70%の条件は 支給残日数が所定給付日数の3分の2以上
- 自己都合退職は 給付制限明け直後の就職 が満額のカギ
- 会社都合退職は 待期7日明けすぐの就職 が満額のカギ
- 退職前から 転職エージェント登録 で内定までの期間短縮
- 入社日は 待期8日目以降 に設定
- 申請期限は 再就職翌日から1ヶ月以内
- トータル受給額は 失業保険長期受給と再就職手当満額の比較 で判断
退職を考えている、けれど再就職手当を最大化したい。
そんな方の状況を、まずはLINEでお聞かせください。
退職スマイルでは、社労士監修のもとで、あなたの状況に合わせた制度活用の方向性をご案内しています。



