再就職は決まった。でも、新しい職場の給料が前より下がってしまった。

「再就職手当はもらえたけれど、これで終わり?」と感じている方も多いはずです。

実は、給料が下がった場合に 追加でもらえる手当 があります。この記事では「再就職手当」と「就業促進定着手当」の違いを、要件・タイミング・申請期限までわかりやすく整理します。

1. 結論 ― 2つは「もらう時期」がまったく違う手当

最初に結論をお伝えします。

再就職手当と就業促進定着手当は、名前は似ていますが 別物 です。もらえる時期と目的が異なります。

  • 再就職手当:早く安定した就職が決まった時点でもらえる 一時金
  • 就業促進定着手当:再就職してから 6ヶ月後、新しい職場の給料が前より低い場合にもらえる 追加給付

つまり、再就職手当は「就職できたお祝い金」、就業促進定着手当は「給料が下がった分の補填」というイメージです。再就職手当をもらった人だけが、就業促進定着手当の対象になります。


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2. まずは再就職手当のおさらい

就業促進定着手当を理解するには、前提となる再就職手当を知っておく必要があります。

再就職手当は、失業保険(基本手当)を受給している人が、支給日数を多く残したまま早く再就職 した場合にもらえる一時金です。

支給率は、再就職した時点の 支給残日数の割合 で2段階に分かれます。

支給残日数の割合 支給率
所定給付日数の 3分の2以上 残日数 × 基本手当日額 × 70%
所定給付日数の 3分の1以上3分の2未満 残日数 × 基本手当日額 × 60%
3分の1未満 対象外

早く決まるほど支給率が高くなる仕組みです。

なお、再就職手当の支給率や満額の条件、計算の目安は別記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください(記事末尾の関連記事を参照)。

3. 就業促進定着手当とは

就業促進定着手当は、再就職手当をもらった人が、新しい職場の給料が前職より下がっていた場合 に、その低下分を補ってくれる手当です。

3-1. 3つの要件

以下のすべてを満たすと対象になる可能性があります。

  1. 再就職手当の支給を受けていること
  2. 再就職先で、引き続き 6ヶ月以上 雇用される(雇用保険の被保険者であること)
  3. 再就職後 6ヶ月間の賃金の1日分 が、離職前の賃金日額より 低いこと

3つ目がポイントです。給料が下がっていなければ、就業促進定着手当は支給されません。

3-2. 支給額の計算イメージ

支給額は、おおまかに次の式で計算されます。

(離職前の賃金日額 − 再就職後6ヶ月の賃金日額)
 × 再就職後6ヶ月間の賃金支払基礎日数

再就職後の賃金日額は、月給制の場合「再就職後6ヶ月間の賃金合計 ÷ 180」で求めます。休日も含めて日割りするため、思ったより低くなることがあります。

3-3. 上限額に注意

就業促進定着手当には上限があります。

再就職手当の支給率 上限額
60%だった場合 基本手当日額 × 支給残日数 × 40%
70%だった場合 基本手当日額 × 支給残日数 × 30%

計算した金額がこの上限を超える場合は、上限額が支給額となります。最新の率や賃金日額の上限・下限は毎年改定されるため、ハローワークの公式情報でご確認ください。


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4. 2つの手当の違い比較表

ここまでの内容を一覧で整理します。

比較項目 再就職手当 就業促進定着手当
もらえる時期 就職が決まった直後 再就職してから6ヶ月後
目的 早期就職へのお祝い金(一時金) 給料が下がった分の補填
主な要件 支給残日数を3分の1以上残して早期就職 再就職手当の受給+6ヶ月以上雇用+給料低下
給料との関係 給料の高低は問わない 前職より給料が下がった場合のみ
申請期限 再就職した日の翌日から 1ヶ月以内 再就職から 6ヶ月経過した日の翌日から2ヶ月以内
もらえる回数 1回 1回(再就職手当の受給が前提)

時系列で見ると、流れはこうなります。

再就職が決定 → 【再就職手当】を申請・受給
    ↓ 6ヶ月勤務
給料が前職より低い → 【就業促進定着手当】を申請・受給

再就職手当が「入口」、就業促進定着手当が「6ヶ月後の追加チェックポイント」と考えるとわかりやすいです。

5. 就業促進定着手当の申請の流れ

申請のタイミングと期限を間違えると受け取れません。順番に確認しましょう。

ステップ1:再就職先で6ヶ月勤務する

まずは再就職先で 6ヶ月間、雇用保険の被保険者として継続勤務 します。途中で退職すると対象外になります。

ステップ2:申請書が届く

再就職からおおむね5ヶ月後を目安に、ハローワークから「就業促進定着手当支給申請書」が届きます。

ステップ3:書類をそろえる

主に次の書類が必要です。

  • 就業促進定着手当支給申請書
  • 雇用保険受給資格者証
  • 就職日からの6ヶ月分の 賃金台帳または給与明細の写し(事業主の証明を受けたもの)
  • 就職日からの6ヶ月分の 出勤簿またはタイムカードの写し

ステップ4:期限内に申請する

申請期間は、再就職した日から6ヶ月経過した日の翌日から2ヶ月以内 です。再就職手当を申請したハローワークへ提出します(郵送や電子申請が使える場合もあります)。

期間が短いため、申請書が届いたら早めに準備を進めるのが安心です。

6. もらえないケースの注意点

就業促進定着手当には、対象外となるケースがあります。事前に確認しておきましょう。

  • 再就職手当をもらっていない:前提条件を満たさないため対象外です。
  • 6ヶ月未満で退職した:継続雇用の要件を満たしません。
  • 給料が下がっていない:前職と同じ、または上がった場合は支給されません。
  • 起業(自営業)で再就職手当を受給した:起業の場合は就業促進定着手当の対象外とされています。
  • 離職前の賃金日額が下限額だった:構造上、再就職後の賃金がそれを下回らないため対象外となることがあります。

ご自身が対象になるか迷う場合は、自己判断せず、ハローワークや専門家に確認することをおすすめします。


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7. よくある質問

Q1. 再就職手当をもらっていなくても就業促進定着手当はもらえますか?

A. もらえません。就業促進定着手当は「再就職手当の支給を受けたこと」が前提条件です。再就職手当を受けていない場合は対象外となります。

Q2. 6ヶ月の数え方はどうなりますか?

A. 再就職した日から起算して6ヶ月間です。給与の締め日とは関係なく、暦で6ヶ月が経過した日を基準に判断されます。詳しい起算日は受給資格者証やハローワークでご確認ください。

Q3. 給料が少しでも下がっていれば対象になりますか?

A. 再就職後6ヶ月間の賃金の1日分が、離職前の賃金日額より低ければ対象になり得ます。ただし支給額には上限があるため、低下幅が小さいと金額もその分小さくなります。

Q4. パートやアルバイトで再就職した場合も対象ですか?

A. 雇用保険の被保険者として6ヶ月以上継続して雇用され、再就職手当を受けているなどの要件を満たせば、雇用形態にかかわらず対象になり得ます。

Q5. 申請を忘れていました。あとから申請できますか?

A. 申請期間は再就職から6ヶ月経過した日の翌日から2ヶ月以内と短く定められています。期限を過ぎると受け取れない場合があるため、心当たりがある方は早めにハローワークへご相談ください。

Q6. 再就職手当と就業促進定着手当は両方もらえますか?

A. はい。要件を満たせば、再就職手当(就職時)と就業促進定着手当(6ヶ月後)の両方を受け取れます。2つは別の手当として支給されます。

8. まとめ

再就職手当と就業促進定着手当の違いを、最後に5点でまとめます。

  • 再就職手当は 就職した時点の一時金、就業促進定着手当は 6ヶ月後に給料が低い場合の追加給付
  • 就業促進定着手当の要件は「再就職手当の受給」「6ヶ月以上の雇用」「給料の低下」の3つ
  • 支給額は(離職前の賃金日額 − 再就職後の賃金日額)× 支払基礎日数で計算し、上限あり(40%、再就職手当が70%だった場合は30%)
  • 申請期限は 再就職から6ヶ月経過した日の翌日から2ヶ月以内 と短い
  • 給料が下がっていない場合や6ヶ月未満で退職した場合は対象外

再就職は決まったけれど給料が下がってしまった。そんな方こそ、追加でもらえる手当がないか確認する価値があります。

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