失業保険を受給中に再就職が決まった、けれど 再就職手当 ってもらえるの?申請条件は?

再就職手当は、失業保険受給中に早期再就職した方への 「祝い金」 のような位置づけの公的給付です。受給残日数に応じて、最大で 基本手当日額 × 支給残日数 × 70% が一括支給されます。

この記事では、再就職手当の申請条件8項目、支給額の計算方法、必要書類、申請期限までを整理します。

1. 結論 ― 8つの支給条件すべてを満たすと受給できる

最初に結論をお伝えします。

再就職手当を受給するには、次の 8条件すべて を満たす必要があります。

# 条件 ポイント
待期期間(7日)満了後の就職 7日間の失業認定を経た後
給付制限期間中なら最初の1ヶ月はハローワーク等の紹介 自己都合退職の場合
1年を超えて勤務見込み 雇用契約が安定していること
雇用保険被保険者資格取得 新しい会社で雇用保険加入
受給資格決定前から内定していなかった 退職前内定はNG
過去3年内に再就職手当・常用就職支度手当を受けていない 重複防止
自営業の場合は受給資格決定後に開業準備開始 フリーランス・自営業も対象可
支給残日数が 所定給付日数の3分の1以上 ある 早期再就職が条件

支給額の概算

支給額 = 基本手当日額 × 支給残日数 × 給付率(60% または 70%)
支給残日数 給付率
所定給付日数の3分の2以上 70%
所定給付日数の3分の1以上3分の2未満 60%

2. 支給条件の詳細解説

条件① 待期期間(7日)満了後の就職

ハローワークで求職申込してから 7日間の待期期間 を経た後の再就職が対象です。待期7日中に決まった就職は対象外。

条件② 給付制限期間の制約

自己都合退職で 給付制限(原則1ヶ月) がある場合、給付制限の 最初の1ヶ月 に就職する場合は、ハローワーク・職業紹介事業者の紹介による就職が必要です。1ヶ月経過後は紹介経路を問いません。

条件③ 1年を超える雇用見込み

「契約期間1年以下」「短期アルバイト」は対象外。 長期雇用 が前提となる就職である必要があります。具体例:

  • ✅ 正社員雇用
  • ✅ 契約社員(契約更新が見込まれる)
  • ✅ 派遣社員(次回更新前提)
  • ❌ 1年契約で更新なしと明記された短期契約
  • ❌ 季節雇用・短期アルバイト

条件④ 雇用保険被保険者資格取得

新しい勤務先で 雇用保険に加入 することが必要です。週20時間未満勤務など、雇用保険対象外の働き方は再就職手当の対象外。

条件⑤ 受給資格決定前の内定はNG

ハローワークで失業保険の受給資格決定を受ける前に内定していた就職先への就労は対象外です。「退職前から決まっていた」「在職中に転職活動して内定」は再就職手当の対象になりません。

条件⑥ 過去3年の重複受給制限

過去 3年以内 に再就職手当または常用就職支度手当を受け取っている場合は対象外です。

条件⑦ 自営業・フリーランスも対象

会社員だけでなく、 自営業・フリーランスとして開業 した場合も対象になります。受給資格決定後に開業準備を始めた事業が対象。事業実態の証明(開業届・事業計画等)が必要です。

条件⑧ 支給残日数3分の1以上

これが 最重要条件 です。所定給付日数の 3分の1以上 が支給残日数として残っている時点での再就職が必要。

所定給付日数 必要な支給残日数
90日 30日以上 残っている
120日 40日以上 残っている
150日 50日以上 残っている
180日 60日以上 残っている
240日 80日以上 残っている
330日 110日以上 残っている


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3. 支給額の計算方法

基本式

支給額 = 基本手当日額 × 支給残日数 × 給付率

給付率の判定

支給残日数の割合 給付率
所定給付日数の 3分の2以上 70%
所定給付日数の 3分の1以上3分の2未満 60%
所定給付日数の3分の1未満 対象外(0%)

計算例: 35歳・基本手当日額6,000円・所定給付日数120日

再就職時の支給残日数 給付率 支給額
100日(83%残) 70% 6,000 × 100 × 0.7 = 42万円
60日(50%残) 60% 6,000 × 60 × 0.6 = 21.6万円
30日(25%残) 対象外 0円

早期再就職ほど受給額が大幅に増える 設計になっています。

基本手当日額の上限(2025年8月時点)

年齢区分 上限額(円)
30歳未満 7,255
30〜45歳未満 8,055
45〜60歳未満 8,870
60〜65歳未満 7,623

※ 上限額は毎年8月1日に改定されます。

4. 申請の流れ・必要書類

申請の流れ

  1. 再就職決定後、 新しい会社で「採用証明書」 を記入してもらう
  2. 入社1週間以内程度に ハローワーク で再就職手続き
  3. 再就職手当支給申請書 を受領(再就職先の事業主記入欄あり)
  4. 必要書類を揃えて 再就職翌日から1ヶ月以内 にハローワーク提出
  5. 審査(約1〜2ヶ月)→ 振込

必要書類

書類 取得元
再就職手当支給申請書 ハローワーク
雇用保険受給資格者証 既に受領済(失業保険受給時)
採用証明書 再就職先の会社
雇用契約書のコピー 再就職先の会社
マイナンバーカード 本人
印鑑 本人
通帳 本人

自営業・フリーランスの場合の追加書類

  • 開業届(写し)
  • 事業計画書
  • 屋号入り名刺・契約書等の事業実態証明

申請期限

再就職翌日から1ヶ月以内 が原則。期限を過ぎると受給資格を失う可能性があるため、就職決定後すぐに動き出すのが安全です。

5. 再就職手当と他制度との関係

A. 失業保険との関係

再就職手当を受給すると、その時点で失業保険(基本手当)の受給は終了します。再就職手当は 基本手当の前払い という性質です。

B. 就業促進定着手当(追加給付)

再就職後の 賃金が前職より低下 した場合、「就業促進定着手当」を別途受給できる可能性があります。

条件 内容
再就職手当を受給 必須
同じ会社で 6ヶ月以上継続勤務 必須
再就職後6ヶ月の賃金日額 < 離職時の賃金日額 必須
雇用保険被保険者として継続 必須

支給額: 賃金低下分 × 6ヶ月分(上限あり)

C. 常用就職支度手当との違い

項目 再就職手当 常用就職支度手当
対象 一般の受給資格者 障害者・45歳以上の特定理由離職者等
支給率 60〜70% 30〜40%
支給残日数要件 所定給付日数の3分の1以上 所定給付日数の3分の1未満でも可

該当者は両者の有利な方を選択。重複受給は不可です。


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6. よくある質問

Q1. 派遣社員でも再就職手当は受給できますか?

A. 派遣社員でも、 1年を超えて雇用される見込み があり、雇用保険に加入する場合は対象になります。3ヶ月更新でも継続見込みがあれば対象。判断は雇用契約書をもとにハローワーク窓口で確認します。

Q2. 自営業として開業した場合は対象になりますか?

A. はい、対象になります。受給資格決定後に開業準備を始め、 事業実態が継続的に営まれる見込み があれば、再就職手当の対象です。開業届・事業計画書の提出が必要。

Q3. 待期7日中に内定が出たら再就職手当はもらえませんか?

A. 待期7日中に 就労開始 すると対象外です。ただし、内定だけで就労開始は8日目以降であれば対象になります。

Q4. 給付制限中に再就職した場合は?

A. 給付制限の 最初の1ヶ月 はハローワーク・職業紹介事業者の紹介経由の就職に限り対象。1ヶ月経過後は紹介経路を問いません。

Q5. 申請期限の「1ヶ月以内」を過ぎたらどうなりますか?

A. 原則として支給対象外となります。やむを得ない事情がある場合はハローワークで個別判断。早めの申請が安全です。

Q6. 再就職手当を受け取った後にすぐ退職したら返還は必要?

A. 短期で退職した場合でも返還は不要ですが、 過去3年以内に再就職手当を受給 したことになるため、次回失業時の再就職手当は対象外になります。

7. まとめ

再就職手当の申請条件について、要点をまとめます。

  • 8つの支給条件 すべてを満たすことが必要
  • 最重要は 支給残日数が所定給付日数の3分の1以上
  • 支給率は 早期再就職ほど高く、3分の2以上残で 70%、3分の1以上で 60%
  • 計算式: 基本手当日額 × 支給残日数 × 給付率
  • 申請期限は 再就職翌日から1ヶ月以内
  • 自営業・フリーランス開業 も対象
  • 賃金低下時は 就業促進定着手当 が追加で受給可能

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