退職を考えたとき、「失業保険って自分の場合いくらもらえるんだろう?」と気になっていませんか?
結論からお伝えすると、失業保険の金額は 賃金日額 → 基本手当日額 → 給付総額 の3ステップで計算できます。年齢・退職理由・勤続年数で大きく変わるため、自分のケースに当てはめて把握しておくのが安心です。
この記事では、2025年8月1日改定の最新数値に基づいて、失業保険の計算方法を3ステップでわかりやすく解説します。月収別の概算シミュレーションと、自己都合/会社都合の比較もセットでお伝えします。
目次
- 結論 ― 失業保険は3ステップで計算できる
- Step A. 賃金日額を計算する
- Step B. 基本手当日額を計算する
- Step C. 給付総額を計算する
- 月収別 概算シミュレーション
- 自己都合と会社都合で総額がどれだけ変わるか
- よくある質問
- まとめ
1. 結論 ― 失業保険は3ステップで計算できる
最初に、失業保険(雇用保険の基本手当)の計算式を整理しておきます。
Step A. 賃金日額 = 離職前6ヶ月の賃金合計 ÷ 180
Step B. 基本手当日額 = 賃金日額 × 給付率(50〜80%、60〜64歳は45〜80%)
Step C. 給付総額 = 基本手当日額 × 所定給付日数
3つの数値を出せば、自分が受け取れる金額の目安が把握できます。
ただし注意点があります。
- 基本手当日額には年齢別の上限額・下限額 がある(2025年8月1日改定)
- 所定給付日数は離職理由・年齢・被保険者期間 で決まる
- 個別事情によりハローワークの判定が変わるため、本記事の数値は概算
正確な金額のシミュレーションは、お住まいの地域のハローワークで確認するか、LINEで個別にご相談ください。
2. Step A. 賃金日額を計算する
計算式
賃金日額 = 離職前6ヶ月の賃金合計 ÷ 180
「離職前6ヶ月」は、退職日の直前6ヶ月(賃金支払基礎日数が11日以上ある月)の賃金を指します。
含むもの・含まないもの
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 含む | 基本給、残業代、通勤手当、住宅手当、家族手当 など毎月支給される手当 |
| 含まない | 賞与(ボーナス)、退職金、年4回未満の祝金、現物給与の一部 |
計算例(月収25万円・残業代月3万円・通勤手当月1万円)
- 月の賃金合計 = 250,000 + 30,000 + 10,000 = 290,000円
- 6ヶ月合計 = 290,000 × 6 = 1,740,000円
- 賃金日額 = 1,740,000 ÷ 180 = 9,666円
賃金日額の上限額(年齢別)― 令和7年8月1日改定
| 年齢 | 上限額 |
|---|---|
| 29歳以下 | 14,510円 |
| 30〜44歳 | 16,110円 |
| 45〜59歳 | 17,740円 |
| 60〜64歳 | 16,940円 |
賃金日額が上記を超える場合は、上限額が適用されます。高所得者ほど、現役時代の月収との乖離が大きくなる仕組みです。
3. Step B. 基本手当日額を計算する
計算式
基本手当日額 = 賃金日額 × 給付率
給付率の仕組み
給付率は 50〜80%(60〜64歳は45〜80%)の範囲で、賃金日額が低いほど高く設定されています。これは、低所得者に対して手厚い生活支援を行う趣旨です。
具体的には、賃金日額がおおよそ5,000円以下の方は給付率80%、賃金日額が高くなるにつれて段階的に50%(45%)に近づきます。
計算例(賃金日額 9,666円・30歳)
- 賃金日額 9,666円 → 給付率は約60%程度
- 基本手当日額 = 9,666 × 60% = 約5,800円
基本手当日額の上限額(年齢別)― 令和7年8月1日改定
| 年齢 | 旧(令和6年) | 新(令和7年8月〜) |
|---|---|---|
| 30歳未満 | 7,065円 | 7,255円 |
| 30〜44歳 | 7,845円 | 8,055円 |
| 45〜59歳 | 8,635円 | 8,870円 |
| 60〜64歳 | 7,420円 | 7,623円 |
基本手当日額の下限額
- 全年齢共通: 2,411円
出典: 厚生労働省 雇用保険の基本手当日額の変更(令和7年8月1日〜)
4. Step C. 給付総額を計算する
計算式
給付総額 = 基本手当日額 × 所定給付日数
所定給付日数 ― 自己都合の場合(一般の離職者)
年齢区分はなく、被保険者期間のみで決まります。
| 被保険者期間 | 給付日数 |
|---|---|
| 10年未満 | 90日 |
| 10〜20年未満 | 120日 |
| 20年以上 | 150日 |
所定給付日数 ― 会社都合の場合(特定受給資格者・一部の特定理由離職者)
年齢×被保険者期間の組み合わせで決まり、最大330日と手厚くなります。
| 年齢/被保険者期間 | 1年未満 | 1〜5年 | 5〜10年 | 10〜20年 | 20年以上 |
|---|---|---|---|---|---|
| 30歳未満 | 90日 | 90日 | 120日 | 180日 | — |
| 30〜35歳未満 | 90日 | 120日 | 180日 | 210日 | 240日 |
| 35〜45歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 240日 | 270日 |
| 45〜60歳未満 | 90日 | 180日 | 240日 | 270日 | 330日 |
| 60〜65歳未満 | 90日 | 150日 | 180日 | 210日 | 240日 |
所定給付日数 ― 就職困難者
- 45歳未満かつ1年以上: 300日
- 45〜65歳未満かつ1年以上: 360日
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5. 月収別 概算シミュレーション
具体的なケースで給付総額の目安を見ていきます。すべて2025年8月1日改定の数値で試算しています。
ケース① 30歳・月収25万円・勤続3年・自己都合
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 賃金日額 | 約8,333円 |
| 基本手当日額(給付率約60%) | 約5,000円 |
| 所定給付日数 | 90日 |
| 給付総額(概算) | 約45万円 |
ケース② 35歳・月収30万円・勤続8年・会社都合
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 賃金日額 | 約10,000円 |
| 基本手当日額(給付率約55%) | 約5,500円 |
| 所定給付日数 | 180日 |
| 給付総額(概算) | 約99万円 |
ケース③ 45歳・月収40万円・勤続15年・会社都合
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 賃金日額 | 約13,333円 |
| 基本手当日額(給付率50%) | 約6,666円 |
| 所定給付日数 | 270日 |
| 給付総額(概算) | 約180万円 |
ケース④ 50歳・月収60万円・勤続22年・会社都合
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 賃金日額 | 20,000円(上限17,740円適用) |
| 基本手当日額 | 上限8,870円 |
| 所定給付日数 | 330日 |
| 給付総額(概算) | 約292万円 |
※ 上記はすべて概算です。給付率は賃金日額に応じた段階的な計算式で算出されるため、実際の金額はハローワークの査定により異なります。
6. 自己都合と会社都合で総額がどれだけ変わるか
同じ月収・同じ勤続年数でも、退職理由(自己都合 vs 会社都合)で給付総額が大きく変わります。
比較例: 35歳・月収30万円・勤続8年
| 項目 | 自己都合 | 会社都合 |
|---|---|---|
| 賃金日額 | 約10,000円 | 約10,000円 |
| 基本手当日額 | 約5,500円 | 約5,500円 |
| 所定給付日数 | 90日 | 180日 |
| 給付総額 | 約49万円 | 約99万円 |
| 受給開始までの期間 | 約1ヶ月半 | 約1ヶ月 |
→ 同じ条件でも、会社都合の方が 約2倍の給付額 を受け取れます。
パワハラや長時間労働で退職した方は、自己都合扱いでも「特定受給資格者」として認定される可能性があるため、ハローワークでの相談が重要です。
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7. よくある質問
Q1. 賞与(ボーナス)は計算に含まれますか?
A. 含まれません。賃金日額の算出には、毎月支給される賃金(基本給・残業代・通勤手当・住宅手当等)のみが含まれます。年4回以上支給される手当は例外的に含まれることがあります。
Q2. 月収は手取りですか、額面ですか?
A. 額面(社会保険料・税金控除前)です。手取り額ではないため、給与明細の「総支給額」をベースに計算してください。
Q3. パートやアルバイトでも同じ計算式ですか?
A. 雇用保険に加入していたパート・アルバイトの方も、計算式は同じです。離職前6ヶ月の賃金合計を180で割って賃金日額を算出します。
Q4. 給付額が思ったより少ないのはなぜですか?
A. 基本手当日額には年齢別の上限額があるためです。月収が高い方ほど、現役時代の月収との乖離が大きくなります。
たとえば月収60万円の方でも、45〜59歳の上限8,870円が適用されるため、月額換算で約24万円程度(28日換算)になります。
Q5. 自己都合だと給付日数が短いと聞きました。理由は?
A. 自己都合退職は計画的に準備ができるという考え方から、会社都合(倒産・解雇等で予期せず離職)と比べて手厚さが抑えられています。
ただし、パワハラ・長時間労働等が理由の場合は「特定受給資格者」として会社都合と同じ扱いになる可能性があります。
Q6. 計算結果と実際の振込額が違うのはなぜですか?
A. 失業保険は月単位ではなく 4週間ごとに28日分 が認定・振込されます。また、月の途中で受給開始した場合や、認定日に求職活動実績が不足した場合などで支給額が変動します。
8. まとめ
失業保険の計算方法について、要点をまとめます。
- 計算は 3ステップ: 賃金日額 → 基本手当日額 → 給付総額
- 賃金日額 = 離職前6ヶ月の賃金合計 ÷ 180(賞与除く)
- 基本手当日額 = 賃金日額 × 給付率(50〜80%、低所得ほど高い)
- 給付総額 = 基本手当日額 × 所定給付日数(自己都合90〜150日/会社都合90〜330日)
- 2025年8月1日改定 で基本手当日額の上限・下限ともに引き上げ
- 同じ条件でも自己都合と会社都合で給付総額が 約2倍違う ことがある
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本記事の内容は公開日(2026-05-11)時点の情報です。最新情報は公式ページをご参照ください。




