再就職が決まった、再就職手当はいくらもらえるの?計算方法がわからない。

再就職手当は 基本手当日額 × 支給残日数 × 給付率(60% または 70%) の3要素で計算されます。事前に金額を把握しておくことで、転職活動のタイミング戦略を立てやすくなります。

この記事では、再就職手当の計算式を3ステップで解説し、年齢別の上限額、複数のシミュレーション、就業促進定着手当との合算までをわかりやすく整理します。

1. 結論 ― 3ステップで計算可能

最初に結論をお伝えします。

再就職手当の計算式は次の通りです。

再就職手当 = 基本手当日額 × 支給残日数 × 給付率
ステップ 内容
STEP 1 基本手当日額を確認(雇用保険受給資格者証に記載)
STEP 2 支給残日数を計算(所定給付日数 − 既に受給した日数)
STEP 3 給付率を判定(60% または 70%)

→ 早期再就職ほど 給付率と残日数が高くなり、再就職手当の総額も増えます

2. STEP 1 ― 基本手当日額の確認

雇用保険受給資格者証で確認

ハローワークから交付された 雇用保険受給資格者証 に基本手当日額が記載されています。

計算式

賃金日額 = 離職前6ヶ月の給与合計 ÷ 180日
基本手当日額 = 賃金日額 × 給付率(50〜80%)

給付率(離職時年齢別)

賃金日額の範囲 給付率
賃金日額が低い 80%(最大)
中間レンジ 50〜80%(逓減)
賃金日額が高い 50%(最低)

基本手当日額の上限(2025年8月時点)

年齢区分 上限額
30歳未満 7,255円
30〜45歳未満 8,055円
45〜60歳未満 8,870円(最高)
60〜65歳未満 7,623円

計算例

月給 賃金日額(÷180×6) 基本手当日額
20万円 約6,667円 約5,333円(給付率80%)
30万円 10,000円 約6,000円(給付率60%)
40万円 約13,333円 約6,666円(給付率50%)
50万円 約16,667円 約8,055〜8,870円(上限適用)

3. STEP 2 ― 支給残日数の計算

支給残日数の定義

支給残日数 = 所定給付日数 − 既に受給した日数

所定給付日数の確認

雇用保険受給資格者証に 所定給付日数 が記載されています。離職理由・年齢・被保険者期間で決まる日数です。

区分 所定給付日数の範囲
一般受給資格者(自己都合等) 90〜150日
特定受給資格者(会社都合等) 90〜330日
就職困難者 150〜360日

既に受給した日数

ケース 既受給日数
待期7日明け直後(給付未開始) 0日
給付制限期間中(自己都合・1ヶ月) 0日(給付制限中は受給なし)
給付制限明け1ヶ月後 約30日
給付制限明け3ヶ月後 約90日

早く就職するほど支給残日数が多く なります。


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4. STEP 3 ― 給付率の判定

給付率は2段階

支給残日数の割合 給付率
所定給付日数の 3分の2以上 70%(満額)
所定給付日数の 3分の1以上3分の2未満 60%
所定給付日数の3分の1未満 対象外(0%)

満額70%のライン早見表

所定給付日数 満額ライン(残日数) 60%ライン(残日数)
90日(一般10年未満) 60日以上 30日以上
120日(一般10〜20年) 80日以上 40日以上
150日(一般20年以上) 100日以上 50日以上
180日(会社都合30未満・10〜20年) 120日以上 60日以上
240日 160日以上 80日以上
270日 180日以上 90日以上
330日(45〜60歳・20年以上) 220日以上 110日以上

詳細は「再就職手当を満額もらうには?」記事を参照。

5. 計算シミュレーション

ケース1: 35歳・月給30万円・自己都合退職・勤続15年

所定給付日数: 120日(10〜20年・自己都合)
基本手当日額: 6,000円
給付制限: 1ヶ月(2025年4月改正後)

【パターンA】給付制限明け直後に就職(支給残日数120日)
給付率: 70%(120日 / 120日 = 100%)
再就職手当 = 6,000円 × 120日 × 0.7 = 50.4万円

【パターンB】給付制限明け1ヶ月後に就職(支給残日数90日)
給付率: 70%(90日 / 120日 = 75%)
再就職手当 = 6,000円 × 90日 × 0.7 = 37.8万円

【パターンC】給付制限明け2ヶ月後に就職(支給残日数60日)
給付率: 60%(60日 / 120日 = 50%)
再就職手当 = 6,000円 × 60日 × 0.6 = 21.6万円

ケース2: 45歳・月給40万円・会社都合退職・勤続20年

所定給付日数: 330日(45〜60歳・20年以上)
基本手当日額: 8,055円(上限適用)
給付制限: なし

【パターンA】待期7日明け直後に就職(支給残日数330日)
給付率: 70%(330日 / 330日 = 100%)
再就職手当 = 8,055円 × 330日 × 0.7 = 約186万円

【パターンB】3ヶ月後に就職(支給残日数240日)
給付率: 70%(240日 / 330日 = 73%)
再就職手当 = 8,055円 × 240日 × 0.7 = 約135万円

【パターンC】6ヶ月後に就職(支給残日数150日)
給付率: 60%(150日 / 330日 = 45%)
再就職手当 = 8,055円 × 150日 × 0.6 = 約72万円

ケース3: 28歳・月給25万円・自己都合退職・勤続5年

所定給付日数: 90日(10年未満・自己都合)
基本手当日額: 5,200円
給付制限: 1ヶ月

【パターンA】給付制限明け直後に就職(支給残日数90日)
給付率: 70%(90日 / 90日 = 100%)
再就職手当 = 5,200円 × 90日 × 0.7 = 約32.7万円

【パターンB】2ヶ月後に就職(支給残日数60日)
給付率: 70%(60日 / 90日 = 67%)
再就職手当 = 5,200円 × 60日 × 0.7 = 約21.8万円

6. 失業保険長期受給 vs 再就職手当 のトータル比較

ケース: 35歳・月給30万円・自己都合退職・勤続15年(再掲)

戦略 失業保険 再就職手当 トータル
給付制限明け即就職 0万円 50.4万円 50.4万円
給付制限明け1ヶ月後 18万円(30日分) 37.8万円 55.8万円
給付制限明け2ヶ月後 36万円(60日分) 21.6万円 57.6万円
給付期間満了まで 72万円(120日分) 0円 72万円

トータル受給額 だけ見れば給付期間満了まで受給する方が多いが、 早期再就職 + 再就職手当満額 で約56〜58万円 + キャリアブランクを最小化 できるメリットがあります。

判断軸

  • 経済面: トータル金額の大小
  • キャリア面: 失業期間の長期化リスク
  • 健康面: 失業ストレス・固定費負担
  • 再就職先の質: 焦らず納得のいく転職


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7. 就業促進定着手当との合算

制度の概要

再就職手当を受給後、再就職先で 賃金が前職より低下した 場合、追加で 就業促進定着手当 を受給できます。

項目 内容
受給条件 再就職手当を受給済 + 同じ会社で6ヶ月以上継続勤務
条件 再就職後6ヶ月の賃金日額 < 離職時の賃金日額
計算式 (離職時賃金日額 − 再就職後6ヶ月平均賃金日額)× 再就職後の賃金支払対象日数
上限 基本手当日額 × 支給残日数 × 40%(再就職手当が70%の場合は20%上限)

計算例

離職時賃金日額: 10,000円
再就職後6ヶ月平均賃金日額: 8,000円
賃金低下分: 2,000円
6ヶ月の賃金支払対象日数: 約180日
基本手当日額: 6,000円
支給残日数: 90日

就業促進定着手当 = 2,000円 × 180日 = 36万円
上限額(再就職手当70%の場合)= 6,000円 × 90日 × 0.2 = 10.8万円
実際の支給額 = 10.8万円(上限額が小さい方)

合算受給の流れ

  1. 再就職決定 → 再就職手当申請(再就職翌日から1ヶ月以内)
  2. 再就職手当受給(約1〜2ヶ月後)
  3. 6ヶ月継続勤務 → 就業促進定着手当の申請
  4. 就業促進定着手当受給(約1〜2ヶ月後)

8. よくある質問

Q1. 再就職手当はいつ振り込まれますか?

A. 申請から審査・支給決定まで 1〜2ヶ月 かかります。再就職翌日から1ヶ月以内に申請、約2〜3ヶ月後に振込が一般的。

Q2. 自営業として開業した場合の計算は同じですか?

A. はい、計算式は 同じ(基本手当日額×支給残日数×給付率)。自営業の場合は 開業届 等で事業実態を証明することが必要。

Q3. 給付制限期間中の就職でも再就職手当はもらえますか?

A. 給付制限の最初の1ヶ月 はハローワーク・職業紹介事業者の紹介経路の就職に限り対象。1ヶ月経過後は紹介経路を問いません。

Q4. 支給残日数が31日でも再就職手当はもらえますか?

A. 「所定給付日数の3分の1以上」が条件。所定給付日数が90日なら30日以上、120日なら40日以上等です。31日が3分の1未満の場合は対象外。

Q5. 再就職手当を受け取った後にすぐ退職したら返還は必要ですか?

A. 返還は不要ですが、 過去3年以内に再就職手当を受給 したことになるため、次回失業時の再就職手当は対象外になります。

Q6. 再就職先で雇用保険に加入しない場合は?

A. 再就職手当の支給要件として 新しい会社での雇用保険加入 が必要。週20時間未満勤務など雇用保険対象外の場合は対象外です。

9. まとめ

再就職手当の計算方法について、要点をまとめます。

  • 計算式: 基本手当日額 × 支給残日数 × 給付率(60% or 70%)
  • 給付率 70%(満額) は支給残日数が所定給付日数の3分の2以上
  • 給付率 60% は3分の1以上3分の2未満
  • 早期再就職ほど 給付率と残日数が高くなり、総額も増える
  • 賃金低下時は 就業促進定着手当 で追加受給可能
  • 申請期限は 再就職翌日から1ヶ月以内

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