「障害者手帳を持っていない場合でも、就職困難者として認定されることはある?」
「医師の診断書でも認定対象になるの?」
就職困難者は 障害者 と 社会的事情で就職が困難な方 の2大区分があります。手帳所持が一般的な認定根拠ですが、 医師の意見書 や その他客観的な書類 での認定もあり得ます。
この記事では、認定基準を区分別に整理し、 手帳がないケース での認定可能性まで解説します。
1. 結論 ― 認定区分は障害者と社会的事情の2系統
最初に結論をお伝えします。
| 認定区分 | 主な対象 |
|---|---|
| A. 障害者 | 身体障害者・知的障害者・精神障害者 |
| B. 社会的事情で就職困難な方 | 保護観察中・刑事施設出所後・婦人保護施設利用者・覚せい剤等の中毒者・その他厚労省令で定める方 |
→ 認定の 可否はハローワーク所長の判断。手帳所持者は即日認定が多く、手帳なしの場合は 医師の意見書 での判定になります。
2. A. 障害者としての認定
2.1 身体障害者
| 認定根拠 | 内容 |
|---|---|
| 身体障害者手帳 | 都道府県知事から交付された手帳 |
| 等級 | 1〜6級すべて対象 |
| 例 | 視覚障害・聴覚障害・肢体不自由・内部障害(心臓・腎臓・呼吸器等)の方 |
退職時に手帳を所持していなくても、退職後に取得して就職困難者として申請できます(受給期間内)。
2.2 知的障害者
| 認定根拠 | 内容 |
|---|---|
| 療育手帳 | 都道府県・政令市が発行 |
| 児童相談所・知的障害者更生相談所等の判定 | 手帳がなくても、判定書で認定可 |
2.3 精神障害者
| 認定根拠 | 内容 |
|---|---|
| 精神障害者保健福祉手帳 | 都道府県知事から交付された手帳 |
| 医師の診断書 | 手帳がない場合の代替認定根拠 |
| 自立支援医療受給者証 | 補足資料として有効 |
精神障害は 手帳取得に時間 がかかるため、医師の診断書で先行認定するケースが現実的です。
2.4 障害者認定の必要書類
| 区分 | 必要書類 |
|---|---|
| 身体障害者 | 身体障害者手帳のコピー |
| 知的障害者 | 療育手帳のコピー、または判定書 |
| 精神障害者 | 精神障害者保健福祉手帳のコピー、または医師の意見書 |
| 共通 | 離職票・本人確認書類・写真2枚 |
3. B. 社会的事情で就職困難な方
3.1 主な対象
| 対象 | 認定根拠 |
|---|---|
| 保護観察中の方 | 保護観察所の証明 |
| 刑事施設出所後の方 | 出所証明書・更生保護施設の在所証明 |
| 婦人保護施設の利用者 | 施設の在所証明 |
| 覚せい剤・麻薬等の中毒者 | 治療・相談機関の意見書 |
| その他厚労省令で定める方 | ケース別判断 |
3.2 認定の判断軸
| 判断項目 | 内容 |
|---|---|
| 就職困難な状況の 客観的証明 | 施設発行の証明書・公的機関の意見書等 |
| 雇用機会の限定性 | 一般的な求職活動では就職が著しく困難 |
| ハローワーク所長の判断 | 個別の事情を総合的に判定 |
本人が「就職困難」と思っていても、客観的な証明書類がなければ認定が難しいのが実態です。
3.3 認定の難しいケース
| 状況 | 取り扱い |
|---|---|
| 高齢(60歳以上)で就職困難 | 通常は就職困難者ではなく、 年齢別の一般受給資格者 として扱われる |
| 育児・介護で就職困難 | 通常は 特定理由離職者(給付制限なし)として扱われる |
| 経歴上の理由(長期ブランク等) | 通常は就職困難者扱いにならない |
「就職困難」と感じる事情があっても、 法令で定める区分に該当しないと認定されない 点に注意。育児・介護の場合は 特定理由離職者 として優遇措置を受けられる可能性があります。
4. 認定のフロー
Step 1. ハローワークで離職票提出時に「就職困難者として認定希望」と申告
↓
Step 2. 認定根拠書類(手帳・診断書・施設証明等)を提出
↓
Step 3. ハローワーク窓口での個別審査
↓
Step 4. 認定可:雇用保険受給資格者証に「就職困難者コード(53〜57)」が記載
受給開始(150〜360日の所定給付日数)
↓
Step 4'. 認定不可:一般受給資格者として通常受給
認定根拠書類は退職前に準備しておくと、 離職票提出時に即日認定 されることが多くあります。
5. 認定の例外と落とし穴
5.1 退職後に手帳取得した場合
| 状況 | 取り扱い |
|---|---|
| 退職前に診断はあったが手帳は未取得 → 退職後に取得 | 受給期間内(離職日翌日から1年) であれば追加申請可 |
| 退職前後で手帳の等級が変更 | 等級にかかわらず、手帳所持で認定可 |
5.2 短期就労中の手帳所持
| 状況 | 取り扱い |
|---|---|
| 過去に短期で働いた経歴あり | 直近の被保険者期間(離職前1年に6ヶ月以上)が要件 |
| 障害者雇用枠での勤務 | 障害者枠か一般枠かにかかわらず、被保険者期間で判定 |
5.3 認定取消しの可能性
| 状況 | 取り扱い |
|---|---|
| 認定後に虚偽申告が判明 | 認定取消し → 一般受給資格者として再計算 |
| 受給中に手帳の有効期限切れ | 個別判断(多くは継続認定) |
6. 障害者雇用枠での再就職
就職困難者として認定された方が再就職する場合、 障害者雇用枠 の利用が選択肢に入ります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 法定雇用率 | 民間企業 2.7%(令和7年4月以降、段階的引上げ) |
| 障害者雇用枠の対象 | 身体・知的・精神の手帳所持者 |
| 求人情報 | ハローワーク・障害者就業生活支援センター |
| 給付 | 再就職手当・就業促進定着手当も対象 |
詳細は[再就職手当の申請条件]の記事を参照してください。
7. よくある質問
Q1. 精神障害者保健福祉手帳の申請中ですが、認定されますか?
A. 医師の意見書 を提出することで、手帳交付前でも認定対象になる場合があります。診断書には「労務不能ではないが就職が著しく困難」という趣旨の記載が望ましいです。
Q2. 手帳の等級が低い(6級など)でも対象ですか?
A. はい、 等級にかかわらず手帳所持で認定対象 です。等級は所定給付日数や支給額に直接影響しません。
Q3. 認定されなかった場合、再申請はできますか?
A. はい、 追加書類 や 状況の変化 を理由に再申請可能です。医師の意見書の補強・施設証明の追加で再判定されるケースがあります。
Q4. 育児で就職活動が難しい場合は就職困難者になりますか?
A. 育児は就職困難者の対象には通常含まれません。 特定理由離職者 として 給付制限なし の優遇措置を受けられる可能性があります(離職票への記載が必要)。
Q5. 受給期間中に手帳を取得した場合の手続きは?
A. ハローワーク窓口に 手帳のコピー を提出して認定変更を依頼します。所定給付日数が増えるため、 未消化分の調整 が行われます。
Q6. 認定コード53〜57の違いは何ですか?
A. ハローワーク内部の 離職理由コード で、就職困難者の中での区分を示します。給付日数や受給条件は基本的に同じです。
Q7. 障害者雇用枠で退職した場合の取り扱いは?
A. 障害者雇用枠での雇用も 一般の雇用保険被保険者 と同じ扱いです。手帳所持者であれば、退職後の失業保険でも就職困難者として認定されます。
Q8. 認定後、内部障害が悪化した場合の手続きは?
A. 等級変更があれば手帳更新後にハローワークに 更新手帳のコピー を提出。所定給付日数や受給期間の調整は等級ではなく 被保険者期間と年齢 で決まるため、原則影響しません。
8. まとめ
就職困難者の認定基準について、要点をまとめます。
- 認定区分は A. 障害者 と B. 社会的事情で就職困難な方 の2系統
- 身体・知的・精神障害者は 手帳所持 が一般的な認定根拠
- 精神障害は 医師の意見書 での認定も可能
- 社会的事情は 保護観察・刑事施設出所・婦人保護施設利用 等が代表例
- 認定はハローワーク所長の 個別判断、手帳所持者は即日が多い
- 育児・介護は 特定理由離職者 の枠組みで優遇措置あり
- 退職後の手帳取得でも 受給期間内 であれば追加認定可
- 認定後は 雇用保険受給資格者証 に就職困難者コードが記載される
退職を考えていて、自分が就職困難者の対象になるか相談したい。
そんな方の状況を、まずはLINEでお聞かせください。
退職スマイルでは、社労士監修のもとで、あなたの状況に合わせた制度活用の方向性をご案内しています。


