「退職後、確定申告って必要?」
「税金が戻ってくるって聞いたけど、本当?」
退職後の確定申告の要否は 年内に再就職したかどうか で大きく分かれます。 年内再就職なし の場合は、所得税の還付を受けられる可能性が高く、確定申告のメリットが大きくなります。
この記事では、ケース別の確定申告要否と、退職金・医療費控除等の取り扱いを整理します。
1. 結論 ― 年内再就職なしなら還付申告で税金が戻る可能性大
最初に結論をお伝えします。
| ケース | 確定申告 |
|---|---|
| 年内に再就職 → 新しい会社で 年末調整 を受けた | 原則不要(医療費控除等の追加事項がなければ) |
| 年内に再就職したが年末調整 間に合わず | 必要 |
| 年内に 再就職しなかった | 必要(多くの場合 還付 あり) |
| 退職金あり + 「退職所得の受給に関する申告書」提出済 | 退職金分は原則不要、給与所得分は上記に従う |
| 退職金あり + 申告書未提出 | 退職金分も含めて確定申告が必要 |
→ 「年内再就職なし」は 還付申告 で税金が戻るケースが多いため、忘れずに行うのが基本です。
2. 年内再就職した場合
2.1 新しい会社で年末調整を受けたケース
| 状況 | 取り扱い |
|---|---|
| 12月31日時点で在籍 | 新しい会社で 年末調整 実施 |
| 前職の源泉徴収票を新職場に提出 | 前職分を含めて精算される |
| 確定申告 | 原則 不要 |
2.2 年末調整に間に合わなかったケース
| 状況 | 取り扱い |
|---|---|
| 12月途中の入社 | 多くの会社で年末調整可能 |
| 12月支給給与に間に合わない | 自分で 確定申告 |
| 前職の源泉徴収票が間に合わない | 同上 |
2.3 医療費控除等を受けたい場合
新しい会社の年末調整で済んでいても、 医療費控除・住宅ローン控除1年目・ふるさと納税のワンストップ特例外 のケースでは別途確定申告が必要です。
3. 年内再就職しなかった場合
3.1 還付の仕組み
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 在職中の所得税源泉徴収 | 1年間勤務する前提で計算 |
| 中途退職 | 実際の年収より多く源泉徴収されている可能性高 |
| 確定申告 | 過払い分が 還付 される |
| 還付申告の期限 | 翌年2月16日〜3月15日(または 5年以内 ) |
3.2 還付額の目安
| 退職月 | 年収(仮) | 推定還付額 |
|---|---|---|
| 3月末退職 | 年収500万円 → 退職時点350万円→ 修正後ベース | 数万円〜十数万円 |
| 6月末退職 | 同上 | 同上 |
| 9月末退職 | 同上 | 数万円程度 |
還付額は所得控除(基礎控除・社会保険料控除・生命保険料控除等)の活用次第で大きく変わります。
3.3 確定申告に必要な書類
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| 源泉徴収票(退職時に勤務先から) | 退職後1ヶ月以内に発行 |
| 国民健康保険料・国民年金保険料の領収書 | 社会保険料控除の証憑 |
| 生命保険料控除証明書 | 控除証明書 |
| 医療費の領収書 | 医療費控除の場合 |
| マイナンバーカード(または通知カード+本人確認書類) | 申告書添付 |
| 還付振込先口座の通帳 | 還付金の振込先 |
4. 退職金の取り扱い
4.1 退職所得の受給に関する申告書
| 状況 | 源泉徴収 | 確定申告 |
|---|---|---|
| 申告書 提出済 | 退職所得控除を考慮して源泉徴収(多くは0円) | 不要(原則) |
| 申告書 未提出 | 退職金全額 × 20.42% の源泉徴収 | 必要(精算で還付) |
4.2 退職所得控除の計算
勤続年数 20年以下: 40万円 × 勤続年数(最低80万円)
勤続年数 20年超 : 800万円 + 70万円 × (勤続年数 − 20年)
| 勤続年数 | 退職所得控除額 |
|---|---|
| 10年 | 400万円 |
| 20年 | 800万円 |
| 30年 | 800万円 + 70万円 × 10年 = 1,500万円 |
4.3 退職所得の計算
退職所得 = (退職金 − 退職所得控除額) × 1/2
所得税 = 退職所得 × 所得税率 − 控除額
退職所得は 分離課税 で他の所得と合算されないため、税負担が軽くなります。
5. 確定申告の流れ
5.1 申告期間
| 種類 | 期間 |
|---|---|
| 通常の確定申告 | 翌年2月16日〜3月15日 |
| 還付申告のみ | 翌年1月1日〜 5年以内 |
| 修正申告 | 法定申告期限後の修正は時効5年 |
5.2 申告方法
| 方法 | 内容 |
|---|---|
| e-Tax | マイナンバーカード + PC/スマホ |
| 税務署窓口 | 紙の申告書提出 |
| 郵送 | 紙の申告書を税務署へ |
| 税理士に依頼 | 有料(複雑なケースに有効) |
5.3 申告書作成の手順
1. 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」にアクセス
↓
2. 源泉徴収票・控除証明書を準備
↓
3. 入力フォームに沿って入力
↓
4. 還付額が計算される(または納付額)
↓
5. e-Tax送信または印刷して提出
↓
6. 還付の場合、申告から1〜2ヶ月で振込
6. よくある質問
Q1. 失業保険は確定申告に含めますか?
A. 失業保険(雇用保険の基本手当)は 非課税 のため、確定申告に含める必要はありません。源泉徴収もありません。
Q2. 傷病手当金は確定申告に含めますか?
A. 傷病手当金も 非課税 のため、確定申告に含める必要はありません。出産手当金・出産育児一時金も同じです。
Q3. 国民健康保険料・国民年金保険料は控除されますか?
A. はい、 社会保険料控除 の対象です。退職後に自分で支払った保険料の領収書を用意して、確定申告書に記載します。
Q4. 退職金の確定申告は別途必要ですか?
A. 「退職所得の受給に関する申告書」を提出済 であれば、退職金分は原則不要。提出していない場合は退職金額の20.42%が源泉徴収されているため、 確定申告で精算 すると還付される可能性があります。
Q5. 年の途中で再就職した場合、確定申告は不要ですか?
A. 新しい会社で 年末調整 を受けられれば原則不要。前職の源泉徴収票を新しい会社に提出することが必須です。間に合わない場合は自分で確定申告します。
Q6. 退職後にフリーランスとして収入があった場合は?
A. 事業所得 または 雑所得 として確定申告が必要です。給与所得(前職分)と合算して計算します。
Q7. 還付申告は何年前までさかのぼれますか?
A. 5年以内 にさかのぼって還付申告できます(その年の翌年1月1日から起算)。
Q8. 申告を忘れた場合、ペナルティはありますか?
A. 還付申告 は期限後でも問題ありません(5年以内)。逆に 納付すべき所得税がある場合 は、無申告加算税・延滞税の対象になります。
7. まとめ
退職後の確定申告について、要点をまとめます。
- 年内再就職 + 年末調整あり → 原則 不要
- 年内再就職なし → 必要(多くの場合 還付 あり)
- 還付申告は翌年1月1日から 5年以内
- 退職金は「退職所得の受給に関する申告書」 提出済なら原則不要
- 医療費控除・住宅ローン控除1年目・ふるさと納税のワンストップ特例外 は別途確定申告
- 失業保険・傷病手当金・出産手当金は 非課税(申告不要)
- 国民健康保険料・国民年金保険料は 社会保険料控除 の対象
- 申告は e-Tax が便利、税務署窓口・郵送も可
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